まず、ほとんどの人は病院で診断を受け、そこから行政の福祉課などを紹介される事でしょう。
しかし、藁をも掴む気持ちで眼科や役所の福祉科に行っても、あなたはおそらく途方に暮れてしまうでしょう。
なぜならば、医者は病気の検査や診断は出来ても、それが治せない場合そこまでです。
これからの生活についての相談をしても知識はありません。
だから役所の福祉課に行けと言います。
しかし、役所の担当者は「福祉のしおり」に書いてある内容を相談者に伝えるだけです。
役所の担当者は数年で移動があり、次々に担当者が入れ替わるので深い知識も経験もなく、通り一辺倒で書かれている情報を教えてくれるだけです。
健常者の福祉科の職員は普段視覚障害者と接した事はなく、その生活実態や、どんな事に困っているのか、どんな工夫をすればいいのかなど、日々の生活に密着した詳しい情報は持ち合わせていません。
例えば、あなたの視力と視野でしたら白杖の給付を受ける事が出来ますよとまでは教えてくれるでしょう。
しかし、白杖といっても様々な長さや材質、折り畳みのものやスライド式のもの、1本ものなどあります。
また材質によっては重さも消耗する部分も異なります。
どの長さがあなたに合っているのか、あなたの生活スタイルや行動スタイルでは、どの材質のどんな白杖が向いていますよなど分かるはずもありません。
書類を見てこんなのありますよと大まかな事は教えてくれるでしょうが、窓口の人はその様な白杖など見た事も触った事も比較した事もないのですから・・・
突っ込んだ事を尋ねれば、分からないというか、言葉を濁らすでしょう。
例えば、そうして白杖を手に入れたとしても、これを使ってどうして歩くの?どう使うの?白杖を使っての歩行など誰も教えてくれないの?教えてくれる機関はあるの?どうしたら申し込めるの?
でも、そんな突っ込んだ事を役所の窓口で尋ねても知りませんし、知らないとは言いにくいので適当な情報を言われたりします。
それでは藁をも掴む相談者は不安ですよね。
相談者の知りたい事は、これから生活するにあたり見えないと・見づらいと何が出来て何が出来ないのか、どんな助けが必要なのかなんですよね。
そういう部分で皆様のお手伝いが出来ればという気持ちが、この相談窓口をはじめたきっかけです。